認知症と近い症状があり、歩行障害や失禁症状などの症状が出る、「特発性正常圧水頭症」と疑われる患者さんは現在30万人以上いるということで、これまでに考えられていたよりも多いことが分かってきました。
特発性正常圧水頭症は、脳脊髄液が脳室やくも膜下腔に過剰に貯留する病気なのですが、「治療により改善する認知症」として知られています。特に2004年5月に診療ガイドラインが発行されて以来、改善・回復されている患者さんが多くなってきました。
脳神経外科外来にて診察をさせていただき、必要となれば画像診断や腰椎穿刺、髄液循環障害検査などの診断をします。治療としては脳脊髄液シャント術、術前術後のリハビリテーションを行います。手術は、一般的には1時間程度であり、入院も10日間前後となります。
当院で治療なさった患者様が治る事を伝え、同じ病気で困っている方へのメッセージとして、
記録を公開してくださいました。
水頭症の主な症状である歩行障害・認知症・尿失禁症状の改善が得られ、本人の自立が高まれば、介護の負担も軽減され、患者さんおよびご家族の生活の質の向上にも繋がるのではと考えます。